グラスアイオノマーセメントを用いたお子様にやさしいARTテクニックとは
歯を機械で削らない、また麻酔も行わないという治療法です。WHOが推奨している修復技法で最小限の介入(ミニマルインターベーション)がコンセプトになっています。
麻酔をせず、金属性の器具などを用いて虫歯を取り除きます。歯を削らないので不快な音や振動がなく、水も使いません。
虫歯を取り除いた後、グラスアイオノマーセメントを充填したら治療は完了です。このセメント剤はフッ素を徐々に放出するため、虫歯から歯を守る役目も果たします。また歯質接着性があり、緊密に充填すればむし歯菌の栄養源を断つことができるためむし歯菌による歯質の感染拡大を止める事ができます。
このテクニックの特徴として挙げられるのが、虫歯が少し残ってしまう事です。しかし、虫歯が少し残ってしまうART法と虫歯をすべて取り除いた場合と比較して治療成績に大きな差異が見られないことが判明しています。本来むし歯が深い場合、完全にむし歯を取りきるには麻酔が必要になります。グラスアイオノマーセメントの特徴を生かし、これまで必要であった麻酔を使う事なく治療が可能であったり、また神経を取る治療を回避できる場合があります。